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2023.12.14
先週コロンビアから戻って参りました。ここ2年程は多雨による収穫への影響が大きく、各地でカカオが病気になってしまったり、カカオ豆の乾燥が上手く仕上がらなかったりという状況が続いていましたが、今年は一変。雨量が極端に少なく、それによる収穫への影響が出ています。農園内では“干上がっている”という意味で“sequía”という言葉を使うのですが、先月11月は収穫シーズンの始まりにも関わらず、この言葉を至る所で耳にしました。他の農業にも言えることですが、気候変動の影響がここでも大きく影響しています。
通常カカオは熱帯の土地の中でも、ある程度の雨量と水捌けの良い土地を好みます。ですから今年のように雨量が極端に少なかったり、乾燥している土地では良い状態で育つことは少ないのですが、例外もあります。その1つが、コロンビアのグランドキャニオンと呼ばれるタタコア砂漠周辺のカカオ。タタコア砂漠はその名の通り、砂漠のように乾燥していて、広大な土地に段差になった地層が目の前に広がる場所で、背の高いサボテンが点在しているような、大方カカオとは無縁の場所。

ところがこの近郊でカカオを栽培しているという生産者の方々がいらっしゃり、私たちのカカオチームのエディさんが偶然にもその皆さんに出会うことがありました。彼らの栽培するカカオを見せてもらったところ、それはそれは遺伝子的に珍しいカカオも含め、気候の影響も受けた独特の風合いのカカオが育てられているではありませんか。
前回のメルマガでカカオにおける灌漑用水のお話をいたしましたが、私が知る限りこんなにも乾燥した地帯で育っているカカオは殆ど目にしたことがありません。その香味を含め、驚きに包まれたこの特別なカカオを、DISCOVERYというシリーズのチョコレートに仕上げることにしました。
DISCOVERY #1を最初に作ったのは5年前。昔ながらのホワイトカカオも点在している農園のカカオで作った、限定中の限定チョコレートでした。このDISCOVERYは、私たちのカカオ探しの中でも、本当に特別なカカオで作ると決めたシリーズ。そんな縛りを課したため、2つ目のDISCOVERYとなるカカオに出会うまで、5年もかかってしまいました。
このタタコアのカカオは、単一よりも他のカカオをブレンドした方が奥行きが深くなると思い、エリザベスさんの農園のこちらも栽培量の限られた3品種のカカオをブレンドしました。
DISCOVERY #2。カカオのこだわりをたっぷりと詰めた、ロマンに包まれたチョコレートです。
カカオハンター®︎ 小方真弓

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