PREVIOUS POST
CACAO HUNTERS Plus グランスタ東京...
2023.06.09
東京駅という場所は、特別でした。
2020年8月3日、私たちは東京駅構内のグランスタ東京地下1階に、小さな店舗 CACAO HUNTERS Plus をOPENしました。誰もがカカオについてほんの少し触れられて、その味わいを手軽に楽しめるようにと。そのお店が、今月30日で閉店となります。
お店が開店したときのニュースは、海を超えたコロンビアにも伝わりました。本国コロンビアに店舗を持たないCACAO HUNTERS。初めての店舗が地球の裏側の日本、それも東京駅に開店するということで、当時様々なメディアを通じて伝えられました。
それはやがてカカオ生産者の皆さんにとって、とても大きな誇りにも。仮に日本のことを良く知らなくても、“TOKIO”という大都市のことは多くの生産者が知っています。
自分たちのカカオが日本の東京駅に⁉︎ ¡¡Felicitaciones!!(おめでとう!) このニュースを耳にした誰もが口にした言葉でした。ご存知の通り、既に生産者の皆さんのカカオは私たちのチョコレートとして日本にお届けしておりましたが、直接東京駅に届き、ここで沢山の方に召し上がって頂けるというのは、それとは異なる特別なものに感じられていたようです。
店内の壁にはコロンビアの地図を描き、そこに生産者の方々やカカオのお話をイラストで添えました。別の壁には品種の異なるカカオのイラスト、店内のテーブルはカカオの形にして、その上にはカカオの木の模型を。カカオ生産地を少しでも感じて頂けるようにと、そんな空間にしました。


お店の一番人気、店内手作りのオムレット チョコバナナ、駅ナカでは珍しい店内製造のジェラート、ホットチョコレートにチョコスムージー、そして真髄のチョコレート。私たちのカカオの香りを感じて頂けるスイーツやドリンクに囲まれた東京駅のそのお店は、「一度行ってみたいな」とカカオ生産者の皆さんが口を揃えて話す、憧れの店となりました。
このメルマガを綴っている今は、店頭でお客様にチョコレートのご案内をした後の時間。カカオの形のテーブルでチョコスムージーを飲みながらのひととき。今日は男の子がお母様とカカオの話をしているのを耳にして、微笑ましく思ったそんな日でした。小さなお店の小さなテーブルから、時々聞こえてくるカカオやチョコレートやコロンビアの話し。それが耳に届くことがとても嬉しく感じる瞬間でした。
生産者の皆さんがいて、コロンビアのスタッフたちがいて、店舗のキャストさんたちがいて、お客様がいらっしゃる。CACAO HUNTERS Plus の名前は、カカオ生産者から皆さままでの CACAO HUNTERS に、東京駅の店舗が加わった“Plus”。長くなる人々の繋がり、始点からの物語をお客様までどうやって伝えるか。東京駅という慌ただしさと隣り合わせの場所で、うまく伝えられないもどかしさを抱えながらの2年10ヶ月でした。
言葉にはできないことが沢山で募る思いも多いけれど、それでも終わりは近づいてきます。残り1週間。1日が過ぎる度に、私は何を思うでしょう。
カカオハンター®︎ 小方真弓

カカオやチョコレートの楽しいお話し、カカオ産地からのよもやま話などを、カカオハンター小方真弓がお届けしております。ぜひご登録ください。