Cacao Amigos/セミナー コラボ 販売代理店

ARHUACOS

神秘なる山に伝わる、カカオの伝承

そこは麓(ふもと)から一度足を踏み入れれば、ささやくような木々の声が聞こえてくる世界。チリチリと熱を帯びた太陽が頭上を照りつけ、生い茂る木々の葉の隙間から木漏れ日が小川の水面(みなも)に煌めいては散ってゆく。滴る汗をぬぐいながら土と岩との間を登っていくと突然眼下にカリブ海のエメラルドが広がり、雲の切れ間に目をこらすと、万年雪をかぶった空より青い静閑な山々が遥か遠くに現れます。

カリブの海を背景にいくつもの山が連なる山脈シエラネバダ。そこは5,775mのコロン山頂を筆頭に、富士山の頂きを遥かに凌駕する山々が連なる深碧(しんぺき)と紺碧(こんぺき)が重なり合う領域。コロンビアの先住民の末裔であるアルアコ族はこの山の中に独自の文化を築いていて、この国が生まれる前から自然とともに生き、母なる大地からの恩恵を受けながらその固有の言葉と文化を紡いできました。

彼らのルーツを辿っていくと、カカオ栽培の文化を持っていた民族「タイロナ族」にたどり着きます。コロンビア北部グアヒラ半島にその文化を築いていた彼らは自給自足を中心とした農耕民族で、口頭伝承ではカカオも栽培していたと伝えられています。

KAKAW BUNSHI(アルアコ族のイク語で白いカカオの意味)

アルアコ族とカカオ、500年の道のり

ところが15世紀以降のスペイン人の侵略の際に彼らの8割もが虐殺され、生き延びるためにシエラネバダの山の奥地へと逃げ込みました。そのとき彼らはカカオの文化も、それを栽培していた土地の多くも一度手放してしまったのです。その後「タイロナ族」はいくつかの民族に枝分かれし、そのうちのひとつがアルアコ族として、500年以上固有の文化を継承してきました。

アルアコ族は自然崇拝の極めて温厚な民族にも関わらず、彼らのその歴史の中には度々異文化からの脅威や恐怖が隣り合わせにありました。平和な時代が訪れたのは近年のこと。人々は次第に山を降り始め、かつての海岸の近くでも暮らし始めるようになり、少しずつカカオを栽培する生活も取り戻してきました。その広大な山の中には、とても希少な遠い時代のカカオ「KAKAW BUNSHI(アルアコ族のイク語で白いカカオの意味)」も、未だひっそりと眠っているのです。

彼らのカカオ文化を再興し、かつてのカカオを共に取り戻そうと私たちがアルアコ族と歩み始めたのは今から7年前のこと。カカオを通じて異文化に触れ、心を通じて思いを分かち合う。大地なる母の中で交わす「カカオ」という言葉は、私たち CACAO HUNTERS とアルアコ族にとって特別な意味をなすのです。

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