Cacao Amigos/セミナー コラボ 販売代理店

2024.07.22

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知識と経験の“交換と共有”

知識と経験の“交換と共有”

一般的な板チョコレートは長方形の形をしていることが多いのですが、CACAO HUNTERSの板チョコレートは正方形です。それは創業当時から「カカオの世界とチョコレートの世界がいつか同じ景色を見られるように」との願いを込めているから。これについては何も経済上の話だけではありません。

同じコロンビアという国にあっても、カカオを生産する皆さんと、チョコレートを作る人たちの間で、まだまだお互いに知らないことは沢山あります。CACAO HUNTERS を立ち上げたときの信念の中に、2つの距離を縮めることが私の中にありました。それを形にするのが「Intercambio(交換)」と「Compartida(共有)」。ここでは知識や経験の交換・共有を意味します。これまでもカカオ産地へ赴きそれは何度も行ってきましたが、時にはカカオ生産者の皆さんにポパヤンのチョコレート工場へ来てもらい、チョコレート製造スタッフと交流したり、チョコレート側の様々な経験をしていただくことがあります。今年は7月に2回、生産者さんをお招きしました。

まず7月上旬に来ていただいたのは、「エリザベス71%」や「アラウカ70%」のカカオを生産しているエリザベスさん。私たちと彼女とのお付き合いはもう13年程。工場訪問も今回が2回目です。上質でまろやかなカカオを生産する彼女とは、チョコレート製造スタッフ全員を交えて、栽培している品種と個性、個々のカカオの香味の引き出し方、気候変動による収穫や味わいへの影響など、カカオからチョコレートまで様々なテーマの技術交換会を行いました。40年以上にわたり素晴らしいカカオを作り続けているエリザベスさんは、若いスタッフたちにとって最早カカオの先生です。私も彼女からカカオ栽培について、随分多くのことを学ばせていただきました。

エリザベスさんとポパヤンのチョコレート工場スタッフ

その9日後に来ていただいたのは、セサル県のアルアコ族と、同県ベネズエラとの国境沿いのカカオ生産者の皆さん。今回はそれぞれの地域のカカオがどのような香りのチョコレートに変身するか、よりおいしくするためにはカカオ栽培からどうするか、カカオ豆の検査や官能検査を含め、2日間に渡って研修を受けていただきました。生まれて初めて飛行機に乗ったというアルアコ族の皆さんは、民族衣装の正装でポパヤンに到着。ただ、チョコレート工場内はアルアコ族と言えど、伝統の帽子の持ち込みは厳禁です。申し訳無い気持ちを抑えつつ、帽子をヘアネットに変えていただき工場内での研修を受けてもらいました。

私たちのチョコレート工場は各要所にそれぞれの秘密があり、初めて工場を訪れた皆さんは新しく目にすること、耳にすることに感嘆しつつも、カカオ豆がチョコレートになる姿を楽しそうに学ばれていました。セサル県の生産者の皆さんは、自身もその味わいの真価をご存知なかったローカル品種(在来種)で作ったチョコレートに、「こんなにおいしいの⁉︎」と驚きを隠せない様子。カカオの中にはそのおいしさが収穫量や耐病性と比例せず、より生産効率の良い他の品種に変えられてしまうことは良くあります。生産性の向上はカカオを栽培する人たちにとって大きな課題ではありますが、それにより失われてしまうものがあることも。今回はこの研修を通じて、彼らの土地に眠っているカカオ本来の香味も発見していただきました。

コロンビアに工場を建てた理由の一つが、カカオの世界とチョコレートの世界が手を取り合う「カカオ産地で作るチョコレート」を生み出したかったから。こうやって2つの世界が少しづつ繋がったチョコレートを、皆さんに楽しんで頂ければと願います。

カカオハンター®︎ 小方真弓

今回研修を受けられたアルアコ族の皆さん

工場見学、官能検査の研修風景

オムレットチョコバナナ

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