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2022.11.17

News 

ポパヤンのチョコレート工房

ポパヤンのチョコレート工房

前回のカカオ便りVol.16を綴ってから、約8ヶ月が経ちました。そんなにも長い間皆さまに何もお届けできていなかったことをお詫び申し上げるとともに、それでもまたのんびりと、お付き合い頂ければと思っております。

この期間一度コロンビアに戻っておりました。コロナ禍において諸々の状況が重なってしまい、ここまで長く日本に滞在していたのは、実に18年ぶり。不在の間、借りていたコロンビアのアパートの家賃は1年以上払い続けていましたが、途中からしばらく戻れないと判断して引き払い、共同経営者のナチョさんにお願いしてアパートの荷物を元「チョコレート工房」を改築した部屋に全て押し込んでもらいました。ベットも、冷蔵庫も、洗濯機も。

2013年12月6日設立、ポパヤンの元「チョコレート工房」。現在は私のポパヤンでの滞在部屋。扉は板チョコレートデザイン。玄関にはオレンジの木(写真左)。裏にはカカオの木が植えてある。最近実が成った(写真右)。

2013年12月6日、私たちはコロンビアの地方都市「ポパヤン」に、小さなチョコレート工房を作りました。チョコレートを作る機械が2台+1台、特注の冷蔵庫、幾つかの作業台。当時既にカカオの開発に自己資金を全力投資していた私たちにとって、お金を借りて手配できたのはそのくらいでした。
 
チョコレート工房を作った理由は至極明確。既に2011年から高品質なカカオを作るため、私やナチョさんはコロンビアのカカオ生産者のところに赴き、各国のNGOと連携して農業開発や生産開発を行っていましたが、でき上がったカカオ豆に付加価値をつけて取引するのが当時のカカオの世界はとても厳しく、どんなに良いものを目指しても+1ドル/kgの差をつけることすら難航した状況でした。

生産者の皆さんには丁寧に仕事をして頂く分、一般市場価格以上のお支払いを保証しますし、更に対価を“支払い続けなければならない”。こういった世界は、継続のないところに信頼関係は生まれません。でもカカオ豆を買ってもらえなければ生産者への支払いが滞ってしまう。資金が枯渇して支払いも、自身の生活も厳しい状況は何度も経験してきました。南米コロンビアで一人安宿を転々としながらカカオの開発をしていた外国人なんて、当時私ぐらいなものだったと思います。

そんな何もない自分が唯一自信を持って手にしていたのは、作り上げたカカオ豆と、チョコレートを作る知識、技術。この状況下で心の中に芽生え始めていたのは、誰かにカカオ豆を届けてチョコレートを作ってもらうのではなく、このカカオ豆で自分たち自身がチョコレートを作れば、という思いでした。カカオの世界について伝えたい言葉は五万とある。多分それはこういう人生と経験を辿ってきた自分だから、誰よりもあるはず。それをチョコレートが語ってくれるなら、と。チームもその思いを受とめてくれて、自分たちでチョコレートを作り、これを市場に届けることを前向きに考え始めてくれました。足りないのは生産拠点だけ。

そんな経緯から、共同経営者であるナチョさんのご両親が営むパティスリーの隣を改築し、小さなチョコレート工房を作りました。稼働して最初にチョコレートを作っていたのは私一人。少しずつスタッフを募集し、拙い私のスペイン語で技術を指導し、チームができ、今に至ります。2016年9月に「チョコレート工房」から「チョコレート工場」に移設し、カカオ生産者も2,000名程をサポートすることができるようになりました。かつての工房は改築して、その一部は現在の私の生活拠点。工場での仕事を終え、家の扉を開けると目の前に広がるのは10年近く前の想い出。玄関にオレンジの木が、裏庭にカカオの木が植えてある、懐かしい匂いに包まれた場所で毎夜眠りに就くのです。

カカオハンター®︎ 小方真弓

2016年設立のポパヤンの「チョコレート工場」(左)と、2021年新設の「カカオ棟」(右)(写真左)。カカオ豆焙煎担当のジョニエール(左)と品質管理担当のマリア(右)(写真右)。

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