肥沃な大地から生まれる、カカオ
全長2.000mを超える南アメリカ大陸の大河・オリノコ川の河口流域に広がるアラウカ県。LLANO(ジャノ)と呼ばれる広大で平坦な大地が川からの栄養と降り注ぐ雨をたっぷりと含んで、肥沃で草いきれの立ち込める豊かな世界を生み出します。カカオの他には米栽培や畜産業が有名な土地で、カカオ産地を訪れる道中は必ずと言って良いほど、あたり一面に広がる米の稲穂や、白やマダラの牛たちの姿を目にします。
その雨が流れ込むアラウカ川は野生の王国。水しぶきとともにあらわれる希少動物の“ピンクイルカ(アマゾンカワイルカ)”が目の前でドルフィンジャンプをし、川岸で“カイマン(ワニの一種)”が日光浴している姿が見られ、600種を超える野鳥の美しいさえずりを耳にすることができます。地上ではカピバラの親子がのんびりと道路を横断する様子、朝夕には牛の群れの大渋滞がまるでいつものことのように起こり、川から近いカカオ農園では時折サルやリスを見かけます。